読んだ

本田式サバイバル・キャリア術

本田式サバイバル・キャリア術


印象に残ったのは、はじめの方でビジネス書の売り上げの動向が10年前と全く変わってきているという部分で、10年前は経営論や組織論大企業論などマクロが中心だったのが、近年完全に個人のスキルアップを目指す内容の本に変わってきたことをうけて、著者はこのように書いています。

つまり10年前には、個人が活躍できる土壌がなく、個としてのスキルを磨く必要性が顕在化していなかった。

なんか10年前でそんな状況だったってのはなんだかなーと思いますが。『そういう世の中に変わってきた現実』がいいか悪いかの価値判断はなかなか難しいのでしょうが、そうであるという現実に目をつぶっていると組織も個人も潰れていく時代なのは確かなのでしょうね。勉強しないとね。本当の意味で勉強。そのままの意味で勉強。やってみると面白いものです。

そのようなぬるま湯につかっていると、サバイバビリティはどんどん薄まっていきます。いざサバイバル状態になったときに、何をしたらいいかわからず、思考停止状態に陥らないために、日頃から自分のことは自分で決める、セルフコントロール力を高めておくことが必要です。

中学校の先生の言葉みたいですね。この世の中なんだかな。


任天堂 “驚き”を生む方程式

任天堂 “驚き”を生む方程式


任天堂との出会いはやっぱりファミリーコンピュータになりますか。はっきり覚えていますが小学校2年生でした。ドンキーコングJrというソフトとともに。当時はソフトの本数も10数本でそれが増えていくという意識は自分の中には無かったと思います。全部そろったら楽しいだろうなとか考えていたような気がする。作り手に対する意識なんか全く無く、ただただあの白い箱とカートリッジが面白く、のめり込んでいた。そんな箱を作ってくれていた人々の物語。


その任天堂の現社長岩田氏はハル研究所というソフト会社で任天堂のソフトを作っていた訳ですが、前代の創業家山内氏の指名により任天堂の社長に就任する。その前にハル研究所の名前の由来が面白かった。

映画「2001年宇宙の旅」に登場するコンピュータ「HAL」はアルファベットを1文字ずつずらすと「IBM」になる。ハル研究所の社名はこれを想起し、「IBMの一歩先を行く」という意味でつけられた。

2001年でも久しぶりに見てみるかな。



負債に苦しんだハル研究所をその手腕を見込んで当時の任天堂社長山内が「岩田をハル研究所の社長にする」を条件に開発資金を供与することを決める。そこで岩田はハル研究所を立て直し(星のカービィとかね)山内に挨拶に出向く。

山内は「任天堂に来ないか」と、経営者としての実績を積んだ岩田を誘った。当時の任天堂は、ソニー陣営に押され、苦境に喘いでいた時期。これも新たな求道。岩田は「恩返しする時が来た」と快諾した。岩田が首を振ったのには、もう一つの理由がある。尊敬する宮本と同じ釜の飯が食えることが、岩田は何より嬉しかった。

それで、岩田宮本体制の任天堂は、DS Wiiを世に生み出していく訳ですが、すごいです。社長が脳トレ作ってるんだからさ。宮本さんってのはあのマリオの生みの親だけど、僕の実感で行くとスーパーマリオブラザーズってのはすごいゲームであれをやった時の感覚はなんか独特のものだった気がする。ドラゴンクエストとは違う衝撃。あれなんだったんだろうな。あの時の感覚ってなくなってしまったな。今の子供たちにはあるのかな?当時の子供にも無かったのかな?僕だけか?その感覚って何?


採用の時、どんな人が欲しいという基準はあるのか?にたいして岩田氏の言葉

独創的で柔軟性があること。これはある意味、任天堂の社是ですから。文書として伝わっていないだけで、山内時代から、たぶんずっと守っていくべきこと。それから、人に喜ばれることが好き。言い換えるとサービス精神ですかね。うん。それから知的好奇心があること。

何となく生きているのはもったいない。へんな文学じゃないんだから。


Wiiがもはやゲームというものにとどまらず多機能セットアップトップボックスになっているのでは?に対する岩田氏のことば

別に私はリビングルームの覇権を狙って、それで大儲けしようと考えてWiiを作ったわけじゃないんです。そうじゃなくて誰の敵にもならない箱を作ったら、いやぁ、リビングの覇権もついてくるかもしれないみたいなものになった。リビングの覇権は目的じゃないんですよ。だけど、気づいたらゲリラ的に、覇権を握るのに一番近いところにいるのかもしれない

月並みだけれど結果は後からなんとやらってやつですね。これぞまさになわけで。結果があるのは原因あってなんですが、成功の原因ってのはいろいろあるんだろうけれど、確実に意識的に絶対誰でも獲得できる成功への原因は「真剣さ」だろうと思う。

ソニーやマイクロソフト、アップルが敵なのではない。最も恐れるべき敵は、飽きであることを、岩田は自覚している。自らが生んだ過去の驚きが、次なる敵となることを。

この間、日経かなんかの記事でソニーをマイクロソフトも体感型ゲーム機を出すとか言ってるらしいけれど、それでいいんですかねー?大丈夫ですか?PS3のソフトとかたまに本気で笑っちゃうんですけど。僕ら世代はゲームに幸福だったのかもしれない。