行ってきた

目からウロコの営業プロセス改善セミナーに行ってきた。
羽生さんのblogで知って、参加させていただきました。結論から言うと一部二部とも得ることの多いセミナーでした。私自身はSIでエンジニアをやっている(つもり)です。今回は営業のセミナーでした。ただ営業だろうがエンジニアだろうが、小さな会社にははっきり言ってそんな垣根はなくなる厳しい(だからおもしろい)時代が、いいの悪いのといった価値判断をしている暇なく、要請されていくでしょう。そうしたことをやっていかなければならないとして、やらなくてはならないときに始めたんでは遅いんですよね。意識的に動くこと。学ぶこと。


で、一部では行動管理からステージ管理へというタイトルで、営業プロセスのパラダイムとプロセスを変えるべきなのだという観点からティ・スクエア株式会社の寺尾氏のお話を伺いました。ちなみに私の大学の先輩に当たるようです。寄付寄付いまだにうるさいです。


営業の人間の行動を管理するようなモデル、例えば「アプローチしたのか?」「してません」「じゃ、行ってこい」または、「見積もり出したのか?」「出してません」「じゃぁ、早く出してこい!」なんてのはナンセンスだという話。相手あっての営業、ソリューション提案であるという点が重要で、顧客が発注してくれるようなアプローチが重要で、そのためには今自分たちはお客様のどの段階に関わっているのかということの自己認識なしでの商談などは、まさに無駄だという話。


営業にはマーケティングの力も求められるというのももっともだと思った。当たり前だと思うんだけれど結構認識されていなかったりするのかもしれない。根性論なんてありえんだろう、まじで。自分のやっていること、提案していることをどこまで認識しているのか?そしてそれを市場はどう受け止めていて、これからはどう受け止めていくのであろうかという展望を持つことは絶対に必要。


もしコンピュータでのIT化を提案したいのであれば、相応の知識が要求されるし、そのためにも今の技術への基礎的知識あるいは歴史的位置づけなどの勉強は絶対に必要だろうと考えるものである。営業するかわからんがね。いや、しなくちゃだめな時代なんだよ。残念ながらうれしいことに。


そして、二部が株式会社スターロジックの羽生氏のお話でした。タイトルは、『何故そのIT化は失敗するのか』です。一部の寺田氏のお話を受けるかたち。お客様の立場になり発注していただくためにはどうすればいいのかを考えて業務プロセス営業プロセスをIT化してみたけれど・・・失敗した。何故?ってお話。


業務設計と情報設計というものをキーに、IT化とはそもそも何なのか?何のためするのか?どういうところで導入するべきなのかといったお話を伺いました。

業務はどのように業務になるのかという話の中で、そもそも業務というものは試行錯誤の繰り返しの中で発現していくものであり、はじめから業務がわかるわけではないという話の前提がすばらしい。業務に対する基礎の不在。


スキルの習熟度という部分の話で、「知ってる」→「やってる」→「出来る」→「理解している」という流れの部分も興味深い。これはどんな対象にたいしてもそうだろう。ここでは「出来る」と「理解している」の間の線をプロとアマの境界と定めている。なにか仕事はできている。「あー出来てるな」と思う。思うのは勝手だけれど。それをアウトプットしようとすると全く出来ない。またはちょっとした応用が全く利かない。これは全て基礎という基盤がないからに他ならないでしょう。なんかアウトしてみればいいんですよ。そしたら自分のボロが続々出てきますから、そのとき努力して「理解する」に自分をもって行けた人が勝ちなんでしょうな。やろう。


業務はゴールから定義するべきであり、そうすることによって自信を持っていらない作業を削ることが出来るとのこと。いらないことを削ることを『整理』と定義。一方『整頓』とは物事を秩序立てた使いやすい状態にすることと定義。


分業が情報流通を求めるという部分で、例えば商品受注から発送を例にとると、受注するひとがいて、商品を詰める人がいて、発送手続きをとる人がいる。このとき個々人が情報を管理したメモを作った場合、情報が分散していて非常に効率が悪い。メタ視点に立てばわかることだが、人間は自分の視点に対する依存度が強いので、そうそうメタになれないですよね。結果、その場しのぎの対応が定着。インフォーマルな手順の横行。ミスをチェックする仕事の大量発生。仕事が成果を出すという定義である以上ミスを捜せなかったら仕事してないってことになる。ってのは面白い。


とにかく、うまくいくわけがない。じゃここで、ITだソフトウェアだコンピュータだって騒いだところで、これまたうまくいくはずがないってのが重要で、考えるべき方向を間違っちゃっているわけですね。まずは紙で回せるようになりましょうと羽生さんは説きます。もっともです。コンピュータを導入したってコンピュータは自分で考えてくれません。想像力ゼロ。あほなんです。自意識があったらそれはそれで面倒だし、今のままでいいんですが、問題を解決してはくれません。こう解決してくださいって仕組んであげて初めてその通りに素早く動いてくれるだけ、どう動かすかってのは人間が決めるんですね。


私はソフトウェアのシステムを作る仕事でお金を稼いでいますが、紙が回らない状態でそれだけやったってうまくいく訳がない。だったら協調しましょうよって話になって、最終的にはコンピュータいらないよって提案だって出てしまうかもしれない。でもそれはお客様との信頼創造につながるでしょう。またそれがビジネスになるかもしれないわけですよね。コード書けないのはつまらないかもしれないけれど、その仕事が面白くないと決めつけることは出来ない。ITってそもそも情報技術でコードはITと直接関係ないですよね?

紙で回せない時点でのコンピュータ化は時期尚早

肝に銘じていきたいです。

株式会社スターロジックは株式会社マジカジャパンに社名変更されたそうです。また機会があれば是非参加させていただきたいと思えるすばらしいセミナーでした。ありがとうございました。