読んだ
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/12/08
- メディア: 文庫
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わけですが。重要なのは面白いということです。
好きだとか嫌いだとかあって、面白いとか面白くないとかあって、悲しいとか、楽しいとか、うれしいとか、寂しいとか、ゆゆしいとか、憎々しいとかあって、
ミァハが言う
「そう、トァン。わたしたちの望みはね、人類のハーモニクスなの」
ハーモニーな完全な世界は、悲しくない訳でも、寂しくない訳でも、憎んでないわけでもない。みんな悲しんだりしている。ただ、悲しいからではなく、ここでこの人は「悲しい」べきだ。という意味あいにおいて悲しんでいるということ。ハーモニーいいね。
昨日と同じように、人は買い物に行くだろう。
昨日と同じように、人は仕事場に行くだろう。
昨日と同じように笑うだろう。
昨日と同じように泣くだろう。
単純に自明な反応として。単にそうするべきだからそうするものとして。
ののしり合うが、殺しあうことは無い。絶望することはあっても、自殺はしない。当たり前、やったぜ! ハーモニーは訪れたのだから。