Loveという本

LOVE (角川文庫)

LOVE (角川文庫)

「妻や子どもを食わせていかなければならないから」という最後の理由は、死ぬ時自分にとって何の意味も持たなくなるだろう。男と女がいっしょに生活していくということはどういうことなんだろう?と考える。 若い頃、一分一秒でも一緒にいたいと願う恋愛感情を人は長い時間、保つことはできない。恋愛感情という妨げで他人と一緒に暮らすという無理に気づかないでいる。「一生あなたについていくわ」なんていう言葉はそのうち、「そんな人だとは思わなかった」という自分の読みの浅さを相手に押しつけることになるだろう。僕の知っているそのひとは、たまに相手に期待して落胆するが、できる限り期待しないでいたいと望んでいる。「大きなところで信頼してるから、でもその部分が見えなくなったらおしまいになる」と言い切る。


〜中略〜 


恋愛は誰だって平等に与えられる。街で声さえかけられれば、恋愛は手に入る。男は声をかけられる少しの勇気と、相手のニーズに合うカッコウをファッション雑誌から学べばいいのだ。女は声をかけてもらいやすいファッションとスキを与えればいい。でも、長持ちする愛は平等には与えられないことに気づかない。


〜中略〜 


僕の知っているその人は、たまたまそういう性格の人ではなかっただけかもしれない。でも、そういう性格じゃない彼女をすごく好きな僕のような男もこの世にはいるということは事実だ。僕は医者の息子でも、お金持ちでもないし、いいクルマにも乗ってないので、そういう女の人と出会う機会があったとしても、「遊ぶならいいな」と思うだけで、一つしかない愛を分け与えようなんて思いもしない。そう、愛なんてちっぽけな人間には一つしかないんだ。無報酬であげられるものは本当に一つしかないに決まっている。


何度読んでも私にとっては、ぶれがないな。こういうことを書く人がいることの救いってある。意味とか無意味とか。


http://www.youtube.com/watch?v=2iBDKImaoQM
この人のラジオのリスナーってほんとうにすごい人多い。集まるんだろうな。