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貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

これまで日本で差別的な雇用慣行が維持されてきたのは、経済のパイが拡大し世代を超えた大多数が利益を得ることができたからだ。だが今や高度成長の夢の時代は終わり、若年層が"被差別者"として抗議の声を上げはじめた。日本的雇用を維持しつつ、彼らを平等に扱うことが不可能な以上、「正義」を実現するためには制度を変えるしかない。

我々の力ではどうにもならないとかは言わない方がいい。それは思考停止しろということではむろんない。我々の親の世代と我々がもらえる(あくまで予定)の年金額の倍率さってどのくらいの人がご存知なんだろうか?だが、単に被害者面をしてたって始まらない。どうしようもないと考えていいはずはない。生活できてるからいいって?でもそれはあなたの問題だ。上の世代への恨みごとを言い募ってたってはじまらない。逆ベクトルを見る必要があるんだ。

もしあなたが人の親ならば、いやそうでないとしたって、あなたの子供世代が今のあなた以上には愚痴らなくてもよい社会はどうしたら実現できるかを考えることって大事じゃないか?大事じゃないと言い切れる人が世の中大半なのだとしたら、人類という種は早々に消えてしまった方がよい。そうではないとすれば、なんとなく自分と同じくらいには生活できるんだろうと安易に考えることは許されない世の中だ。そうなってしまったのだ。どうすればいい? 変えればいい。実際問題。

筆者はあとがきでこんなことを書いている

特定のひとにだけ分配された利権は政治的に強く守られているため、容易なことではなくならない。こうした不平等を是正する最も効果的な方法は、政治や社会を声高に非難することではなく、より多くの人が利権にアクセスできるようにすることだ。そうなれば制度そのものが維持できなくなるから、否応なく社会は変わらざるをえない。この国を覆う閉塞状況を変えるものがあるとするならば、それは理想主義者の空虚な掛け声ではなく、少しでも得をしたいというふつうの人々の欲望である。

筆者の実際は極めてまっとうだ。

リアルでなければ夢は実現できない

「我々の親の世代と我々がもらえる(あくまで予定)の年金額の倍率さってどのくらいの人がご存知なんだろうか?」って言葉を我々の子供世代は今とは逆の意味で使えてたら素晴らしいね。